A. 仮設住宅の存置期限は2年です。戸あたりの建設コストは安価ですが、月あたりで割った場合12万を超え、近隣の賃貸相場に比してけして安価ではありません。また災害の規模が大きくなれば、戸数を掛けた総額に対する配慮も必要です。現在(2011年4月2日)発表されている戸数(6万戸)と単価(238万7千円)を掛け合わせると、総額1400億を超える膨大な出費になることがわかります。それが2年で撤去されるのです。常設に転用できるような仮設住宅を設計することで、仮設と常設の二重投資を回避できます。
Q. なぜコンテナ規格なの?
A. コンテナ規格であれば、内外装が仕上がった状態で移動させることができます。今後、住み慣れた土地に戻る意志がありながら余力がなく果たせない世帯が増えると予想されますが、そういった方々に対し、まず行政が仮設としてつくり、安価に払い下げ、移動及び常設化してもらうスキームを組めれば理想と考えています。
Q. ほんとうに仮設住宅として供給できる?
A. 法や流通の制約があり結果はわかりませんが、そうできるよう活動します。国内大手プレファブメーカーが今回増産できる応急仮設住宅の数量、すなわち将来ストックできる応急仮設住宅の数量は、必要数を満たす前に頭打ちになると言われていますし、実際過去阪神淡路大震災の際も海外から約3300戸が輸入されています。そういった局面で、小口の常設転用可能な仮設住宅が受け入れられる余地はあると考えます。また仮に仮設住宅としての供給が不可能であっても、安価な常設住宅の選択肢としての強度は残ると思います。
Q. 何棟建てる予定なの?
A. 仮設フェーズ(災害発生時より2年)のあいだに数千というロットの発注に応えられる体制を築くことは困難です。むしろ建築家ならではの、小回りの効く規模を維持することが大切だと考えます。具体的には、半年で20棟、1年で50棟程度を当面の目標として活動します。
Q. つくらずに使うという選択肢はないの?
A. 仮設住宅の存置期間を考えれば、既存利用は大いに賛成です。「すでにあるものの有効活用」と「常設への布石」が応急フェーズの鍵だと思います。ただし、既存利用で分散を余儀なくされる場合に、コミュニティの機能不全などが指摘されています。なるべくもとのコミュニティを維持するために、つくらなければならない局面があるはずです。
Q. コンテナだけで再生されたまちは住みにくいのでは?
A. 復旧や復興を待つあいだにも人は生きなければなりません。そういう極限的な状況の下で未整理のまま住宅が建てられたとしても、移動可能にしておくことで、復興プロセスの重荷にならないとも言えます。このプロジェクトの目標はコンテナだけでまちを再生することではありません。
Q. 現在の応急仮設住宅はいらないの?
A. 日本には応急仮設住宅の国家的な備蓄がありません。仮設に必要な性能を探求しこれに備えてきた民間企業の役割は非常に重要です。また今後も起こり得る大規模災害に対し、同様の仮設ストックを大量に維持する必要があるのは明白です。しかし今回の場合、仮設と常設を完全に切り分けるには、被害の規模が大きすぎます。既存の制度が想定した規模を逸脱する災害が起きたことで、仮設と常設を横断するオルタナティブが必要になったと考えています。
Q. 寄付金の使い道は?
A. まず仮設住宅のプロトタイプを1棟建てたいと思います。プロトタイプによって国、地方自治体、日本赤十字、個人や企業に対するデモンストレーションを行うことができます。また利用後はそのまま被災地に送ることができます。このプロトタイプの製作費、最低限必要な外注費、渡航費などに充当さてさせていただきます。設計業務はボランティアで行います。寄付金がプロトタイプ製作費用を超えて集まるようであれば、2棟目以降は被災された方々の話を伺いながら用途を決め被災地に寄贈します。